2022/8/21中央競馬回顧+今週の出来事

新潟4R 3歳未勝利(ダ1800m) 勝ち馬キャリックアリード牝3(父キズナ)

道中は先団外を追走していたキャリックアリード。抜群の手応えで4角を回り先頭に立つとあっという間にリードを広げていき、最終的に7馬身差をつける圧勝。2戦目で初勝利となった。

育成時の故障でデビューは遅れ今年6月のデビューとなった同馬だが、見せ場十分の3着。一度使われて2戦目となったここは好位追走から上がり最速で圧勝。強い内容だった。かなり体質が弱そうでここまでかなり苦労して使われてきているようだが、無事ならかなり期待できそうな内容だった。

 

 

新潟10R 阿賀野川特別(芝2200m) 勝ち馬セレシオン牡3(父ハーツクライ)

道中は離れた2.3番手から運んだセレシオン、前を追うことはせずマイペースで前を追走すると、4角手前で一気に前に接近。4角を回ったところで先頭に立つとそのままスピードは緩まず。2着シルブロンに3 1/2馬身差をつける完勝。通算成績を5戦3勝とした。

デビュー戦、1勝クラスと連勝した同馬だが、その後すみれSは4着、プリンシパルS7着でクラシック路線には乗れず。休養を挟んで久々の一戦であったが、古馬相手に強い内容であった。同レースは菊花賞への出世レースでもあり、17.18年に同レースを勝利したポポカテペトル、ユーキャンスマイルは菊花賞で3着に善戦した。菊花賞は春上位組は出走しないことも考えて期待の上がり馬といっていいだろう。

 

小倉9R 耶馬渓特別(芝1200m) 勝ち馬スノーテーラー牝5(父アドマイヤコジーン)

道中はハイペースの中最後方に位置取りしていたスノーテーラー。直線大外に持ち出されるとグングン加速し、前を飲み込むと最後は2着に3馬身差を付けて快勝。前走1勝クラスから連勝となった。

同馬はこれが15戦目だが、未勝利勝ち上がり後、1勝クラスを5度使い2着は2回あるものの勝ち切るには至っていなかった。

前走の1勝クラスは1年2ヵ月ぶりのレースで人気も当然落としていたが、2番手追走から快勝。勢いそのままにここも連勝となった。

明らかに休養前とはパフォーマンスが違い、更に上のクラスでの期待が持てる内容だった。上がりも稍重馬場で33.1と抜けた脚を繰り出した。血統的にも中央では本馬も含めわずか2頭しかいないアドマイヤコジーン産駒。本馬にかかる期待も大きい。


新馬評価 1~6段階で表示

新潟1Rキタウイング(父ダノンバラード)4

新潟2Rウインオーディン(父エピファネイア)4

新潟5Rロードプレイヤー(父グレーターロンドン)5

小倉2Rネアセリーニ(父ハーツクライ)3

小倉5Rメイショウヒュウガ(父ダンカーク)3

札幌1Rドンデンガエシ(父ドレフォン)3

札幌5Rインスタキング(父エピファネイア)3

札幌9Rクローバー賞(OP)ジョリダム(父カレンブラックヒル)3

 

新潟5Rのロードプレイヤーは6番手辺りの追走から直線へ。

直線では外に持ち出され一気に前を捉え切り、最後まで猛追してきたブレイディヴェーグをアタマ抑え切り勝利なった。1.2着非常に強い印象で3着にも大きな着差を付けた。

この2頭は今後も注目。


今週の出来事

ウイニングチケットエアグルーヴファインモーション等を管理した伊藤雄二元調教師が亡くなる

14年デイリー杯2歳S、20年中山大障害、21年中山GJ3着などの実績があるタガノエスプレッソ(牡10)が引退

20年秋華賞2着馬マジックキャッスル(牝5)が引退→繁殖入り

21年年度代表馬のエフフォーリア(牡4)が秋全休を発表

98年ジャックルマロワ賞含むG1 5勝馬タイキシャトル(牡28)が亡くなる

 

21年凱旋門賞馬で9/4のベルリン大賞に出走するトルカータタッソ(Torquator Tasso)(牡5)はRピーチュレク騎手が契約馬主の馬に騎乗予定のためFデットーリ騎手に乗り替わり

キングジョージで5着となった愛ダービー馬ウエストオーバー(West Over)(牡3)は英セントレジャーを回避して凱旋門賞へ直行

日本に導入されたブリックスアンドモルタル(牡8)やプリークネスSを制したクラウドコンピューティング(牡8)を管理していた米のチャドブラウン調教師が逮捕される

 

 

 

デルマーオークス(G1)米3歳牝ダ1800m    
勝ち馬スペンダレラ(Spendarella)(牝3)    
映像https://youtu.be/03qtTslnKJQ

道中3番手辺りを追走していた断然人気のスペンダレラが直線早々先頭に立つと後続に差を広げていき2着べラベル(Bellabel)に4 1/2馬身差を付ける圧勝。通算5戦4勝とし、重賞は3勝目、G1は初制覇となった。

本馬は14年の仏2000ギニーBCマイルの勝ち馬で日本産馬でもある仏調教馬カラコンティの産駒。米ではいまだ無敗で前走はコロネーションSに出走しインスパイラルの2着。さすがに米から遠征し英国でも結果を出すレベルも馬だけに、地元では米では負けられないといった所。久々に米の牝馬路線に抜けた馬が現れたという印象でBC戦線においても非常に注目の存在。

 

アラバマS(G1)米3歳牝ダ2000m    
勝ち馬ネスト(Nest)(牝3)    
映像https://youtu.be/fC0fNP5SeuY

10倍を切るオッズは3頭だったが、抜けた1番人気だったのは4番のネスト。この路線お馴染みの一頭で4月のアッシュランドSを勝利した後、ケンタッキーオークスが同レースに出走するシークレットオース(Secret Oath)の2着。その後牡馬相手にベルモントSでモードニゴール(Mo Donegal)の2着とし、前走CCAオークスではシークレットオースにリベンジを果たし2度目のG1制覇。ここは1倍台前半の断然の支持を集めた。

ネストに続いたのが上記で名前を出したシークレットオース。こちらはケンタッキーオークスを勝利後、プリークネスSが4着、前走CCAオークス2着からの参戦。これに前走G2マザーグースSを制したゲリマンダー(Gerrymander)が続いた。

レースは逃げた人気薄のシーズキーン(She's Keen)の外2番手にネストがびったりと付け、その内に3番のゲリマンダーゲリマンダーの真後ろにシークレットオースが続く。

4角手前でシーズキーンが早々捕まりネストが先頭に立つと一団で直線へ。

直線向いた所では後続に1馬身ほどのリードではあったが、各馬脚が上がる中一頭グングン加速していくネスト。一頭抜けた足取りで後続を引き離していくと最後は流して2着シークレットオースに4 1/4馬身差を付け完勝。完膚なきまでに力でねじ伏せて見せた。2着にはシークレットオースが残しゲリマンダーは5着に敗れた。

勝ったネストはG1連勝。これでG1は3勝目となった。

 

ウィンクスS(G1)豪3歳以上芝1400m    
勝ち馬アナモー(Anamoe)(牡4)    
映像https://youtu.be/3DqIGoLNO2g

いよいよ豪春シーズンも本格的に始動。いきなり豪華メンバー勢ぞろいとなったウィンクスS。人気の中心はもはや豪競馬お馴染みのアナモー、2歳時からイングリスサイアーズを制すと、3歳でもコーフィールドギニー、ローズヒルギニーを制しこれまで3度のG1制覇。ここまで16戦し、馬券外は2度という抜群の安定感を持ち、この路線の中心的存在。2番人気には昨年同レースでヴェリーエレガントを撃破し、このレース連覇を狙うモウンガ(Mo'unga)、3番人気にはヴァイナリースタッドSを制したファンガール(Fangirl)、これ以降今年3月のカンタベリーS、ジョージライダーSを連勝したフォビドゥンラブ(Foebidden Love)、今年2月のサラウンドSを制したヒンジド(Hinged)、ディープインパクト産駒で昨年10月のスプリングチャンピオンを制したプロフォンド(Prodfondo)などが続いた。

 

レースは道中好位インを追走し、直線も最内も進路を取ったアナモーが鋭い脚で先頭に立つと、そのまま抜け出し唯一後続を引き離しての快勝。2.3.4歳と3年連続でG1制覇となり素晴らしいシーズンのスタートとなった。2着には追い込んできたファンガールが入り、道中かかり気味に上がっていきながらもしぶとく残したプロフォンドが3着、ヒンジドは5着、フォビドゥンラブは8着、モウンガは最下位10着となった。

 

ジャンロマネ賞(G1)仏4歳以上牝馬芝2000m    
勝ち馬アリスティア(Aristia)(牝4)    
映像https://youtu.be/zOJj-Mbc9Oo 

豪から移籍をしてきたヴェリーエレガント(Verry Elleegant)が欧州移籍始動戦となり注目を集めた同レース。しかし、そのヴェリーエレガントは後方追走から全く見せ場を作れず最下位7着。

変わってレースでは、逃げたアリスティアがそのまま押し切り、2番手にいたロスカーベリー(Rosscarbery)が2着といったいったで決着。

勝った4歳馬アリスティアはこれが重賞初制覇。前走はナシュワが勝利したナッソー2着、これが重賞初制覇となった。

 

モルニ賞(G1)仏2歳牡馬、牝馬芝1200m
勝ち馬ブラックビアード(Blackbeard)(牡2)    
映像 https://youtu.be/Il6472_6Yr4  

5頭立てながら人気は2強対決の様相。まずAオブライエン厩舎のブラックビアード、ここまで6戦4勝。2度の重賞制覇で仏でもすでに重賞を制しておりここも注目の存在だった。

これに対抗格として挙げられていたのが、ペルシアンフォース(Persian Force)、こちらはここまで5戦3勝2着2回という成績。すでにG1も出走しており前走愛のフェニックスS2着からの3戦となった。

道中は2.3番手につけていた2頭が勝負所で抜けだしてきて人気2頭のたたき合いに。先に抜け出したのはブラックビアードだが、最後までペルシアンフォース相手に譲らず1/2馬身差抑えきっての勝利。G1初制覇となった。2着にペルシアンフォースが入線。

 

ナンソープS(G1)英2歳以上芝1000m    
勝ち馬ハイフィールドプリンセス(Highfield Princess)(牝5)    
映像https://youtu.be/cF9QFBPj6o4

10倍を切っていたのは3頭で人気の中心は3歳馬のロイヤルアクレイム(Royal Aclaim)、ここまでデビュー3連勝で前走のリステッドも強い内容。古豪を抑え1番人気の支持を集めた。

これにこのレースならではの出走となった2番人気は2歳馬のザプラチナムクイーン(The Platinum Queen)、7月に同馬が出走したグッドウッドの5F戦にて56.5秒の2歳レコードをマーク。斤量は51.5kgで同レース最重ハンデは64kgと実に12.5kgの斤量差があった。同レースには追加登録を払い意欲の挑戦。これに続いたのはハイフィールドプリンセス。前走はキングエルメスが出走したモーリスドゲスト賞を制しG1初制覇。勢いそのままに中1週でのG1挑戦。レースは2歳馬のザプラチナムクイーンが果敢に逃げロイヤルアクレイムは内ラチを追走。ハイフィールドプリンセスは中団辺りからの追走となった。残り300m辺りからザプラチナムクイーンが寄れながらもしぶとく粘っている所をハイフィールドプリンセスが勢いよく捉えて先頭に立つとそのまま突き放していき2 1/2馬身と1000m戦としては決定的な差を付けて快勝。G1連勝となった。2着にはザプラチナムクイーンが残し追加登録料を見事取り返す素晴らしいレース内容。人気のロイヤルアクレイムは6着に敗れた。

 

ヨークシャーオークス(G1)英3歳以上牝馬芝2400m    
勝ち馬アルピニスタ(Alpinista)(牝5)    
映像https://youtu.be/7Yq2c3NtWmE

10倍を切るオッズは4頭で人気はここまで6連勝でG1は4連勝中のアルピニスタ。昨年は独をどさ周りしていたことでそれほど評価は高くなかったが、前走久々のレースとなったサンクルー大賞を快勝し、レースで実力を証明して見せた。

これに前走英オークスを制したチューズデイ(Tuesday)、前走プリティーポリーSを制したラペティココ(La Petite Coco)、愛オークスを制したマジカルラグーン(MAgical Lagoon)が続いた。

レースは直線一番外から伸びてきたアルピニスタが、ラペティココ、内から上がってきたチューズデイをねじ伏せるように先頭に立つと最後まで押し切って快勝。怒涛の7連勝でG1は5連勝となり、凱旋門賞戦線へまた一つ株を上げた。

しぶとく脚を使って迫ったチューズデイが2着となり、3着にラペティココ、マジカルラグーンは5着に敗れた。

 

インターナショナルS(G1)英3歳以上芝2100m    
勝ち馬バーイード(Baaeed)(牡4)    
映像https://youtu.be/g6EFdD2NNvU

好メンバーが揃ったカードではあったが、当然人気はバーイードが中心となった。

ここまで9戦9勝、マイルでは敵なしだった同馬が満を持しての10F路線へ参戦。

これに昨年の同レースを6馬身差で圧勝し、前々走エクリプスSが2着、前走キングジョージ3着からの参戦となったミシュリフ(Mishriff)、同じくエクリプスSに参戦しヴァデニの3着となった今年の愛2000ギニー勝ち馬ネイティブトレイル(Native Trail)

ここまでが10倍以下で離されたオッズにはなったが、昨年の英チャンピオンS2着のドバイオナー(Dubai Honour)、タタソールズゴールドC2着のハイデフィニション(High Definition)、前哨戦のヨークSでドバイオナーを破ったサーバスカー(Sir Busker)が参戦した。

レースはハイデフィニションに飛ばして逃げていき、スタートを決めたミシュリフが2番手、そこからさらに3馬身ほど離れた位置にネイティブトレイル、ドバイオナー、バーイードと続き最後方からサーバスカーが運んだ。

直線向いて各騎手促しているが、ミシュリフ、バーイードは楽な手ごたえ。

先にミシュリフ鞍上Jドイル騎手の手が動くが、まだバーイード鞍上Jクロウリー騎手の手応えは楽なまま。馬なりでミシュリフの後ろにつけて追い出されると、残り300m辺りで早々先頭に立ち独走。最後は2着ミシュリフに6 1/2馬身差を付ける圧巻のパフォーマンスで勝利。無敗の連勝記録を10に伸ばした。離された2着にミシュリフが入り、3着にはサーバスカー、4着にドバイオナー、5着にネイティブトレイル、6着にハイデフィニションという結果になった。

終わってみればマイルの頃よりも強かったのではないかと思わせる強烈な内容。昨年同レースをぶっちぎったミシュリフを全く相手にしなかった。

今後は英チャンピオンを目標とのことで、同レース勝利後同じ路線を歩んだフランケルと同じレースを使う可能性が高いとのこと。レース内容もフランケルを思い出させるようなレースぶりで今年引退というのが残念ではあるが、この馬をリアルタイムで見れていることを誇りに思いたい。

余談ではあるが、本馬の父はシーザスターズだが、フランケルは父がガリレオで同じアーバンシーから生まれた仔同士という共通点もある。アーバンシーは偉大。