2021/4/17中央競馬回顧

中山5R 三歳未勝利芝1600m 16頭

勝ち馬ロングボウマン牡3(父ナサニエル)

1人気エンブレムコード 1.9 3枠5番 田辺裕信

2人気マオノジーナス 4.0 2枠4番 木幡巧也

3人気エイペクス 6.9 3枠6番 三浦皇成

4人気ロングボウマン 9.9 3枠5番 石橋脩

 

1 着ロングボウマン

2 着エンブレムコード  ハナ

3着エイペクス 1/2

4着マオノジーナス 1

 

 

レースは、直線に向いたところで逃げるロングボウマンを捉えに行ったマオノジーナスだったが、幅寄せを食らったところで少し減速。その間に内からエイペクス、外からエンブレムコードが迫ってくる。ゴール前で迫る三頭をなんとかしのぎ切ったロングボウマンがエンブレムコードをハナ差抑えて勝利。二着に外からきたエンブレムコード、三着に内から来たエイペクス、4着がマオノジーナスだった。

 

同レースはゴール前でロングボウマンが外側に斜行したことによりマオノジーナスが急減速したが、結果的には審議にもならなかった。

 

旧ルールなら当然失格になっていた事象であったであろう今回の斜行だが、いまさらこのやったもん勝ちのクソルールにとやかくいっても仕方ないので今回は改めて降着となる基準が見えたレースとなった。(石橋脩騎手には過怠金10万円)

近年の大きいレースでの降着事象でぱっと浮かぶのは高松宮記念で加害馬クリノガウディーが4着の被害馬ダイアトニックに直線で斜行したことにより降着となった事象。

高松宮記念における1着から4着までの着差は1/2馬身。

おそらくこのラインが降着になる基準だと思われる。同じ例を挙げると昨年のベストアクターが制した阪急杯。2着入線のダイアトニックが3着入線のフィアーノロマーノの進路を妨害し、降着となった事象。このレースの2.3着馬の着差も1/2馬身。

このことからおそらく1/2馬身というのが降着の一応の目安となると考えられる。

ただ、今回の三歳未勝利は被害馬が不利がなくても加害馬に先着したとは自分も思わないので(3着はあった)、その辺の判断基準は「被害馬が加害馬に先着できたか?」という前提で今後起こる可能性がある事象で確認していきたい。

これは降着があるのか?この不利を与えた騎手はどれくらいの裁定になるのか?

というのも考えると不利によって馬券が外れた時の競馬の見方が少し変わるかもしれません。

 

中山11R 中山GJ 障(J G1)4250m 8頭

勝ち馬メイショウダッサイ牡8(父スズカマンボ)

1人気メイショウダッサイ 1.8 6枠6番 森一馬

2人気オジュウチョウサン 2.2 4枠4番 石神深一

3人気タガノエスプレッソ 9.1 3枠3番 植野貴也

4人気スマートアペックス 19.6 7枠7番 中村将之

5人気ケンホファヴァルト 21.1 2枠2番 熊沢重文

 

1 着メイショウダッサイ

2 着ケンホファヴァルト  4

3着タガノエスプレッソ 2 1/2

4着スマートアペックス  7

5着オジュウチョウサン 1 1/4

 

オッズは2強オッズで同レース前人未到の6連覇をかけて挑むオジュウチョウサンと、昨年の大障害覇者メイショウダッサイの一騎打ちの様相。前走の京都JSで3着の破れてのぶっつけ本番となったオジュウチョウサンがやや人気ではオッズを落としていた。

 

レースは好スタートを切ったケンホファヴァルトが内から飛び出して隣のタガノエスプレッソオジュウチョウサンと並ぶようにして最初の障害を越えていく。

ただ、コーナーを回った先で極端にスピードを落としたケンホファヴァルトがハイペースになることを嫌ったのか減速。それを交わしてオジュウチョウサンが先頭に立ち水壕障害を飛越。並んでタガノエスプレッソが二番手に付ける。この段階で3番手にケンホファヴァルト、スマートアペックス、メイショウダッサイの順で続いていく。坂をくだって登ったところでペースを見越したタガノエスプレッソが先頭に立ち、オジュウチョウサンが二番手に下げる。コースを横切ったところにある一つ目の難関大竹柵障害ではスマートアペックスがバランスを崩しかけている。また2つ目の難関。大生け垣障害ではオジュウチョウサンが若干バランスを崩している。大生け垣を超えたところで先頭はスマートアペックス、タガノエスプレッソの二頭に変わり、少し離れてオジュウチョウサンが3番手、その外にメイショウダッサイ、少し後ろにケンホファヴァルト。

2.3コーナー地点まで戻ってきたところ残り2障害でタガノエスプレッソが先頭、外のスマートアペックスにメイショウダッサイが並んできて前三頭。4番手内にオジュウチョウサン、間ケンホファヴァルト、外からマイネルプロンプトが進出してきてこれが4番手集団、ここのペースアップで少し置かれたオジュウチョウサンは6番手に後退。スマートアペックスが脱落し、ケンホファヴァルト、マイネルプロンプトが前に迫っていく。前はタガノエスプレッソが先頭で直線へ。

タガノエスプレッソが先頭で最後の障害をメイショウダッサイと並ぶように飛越。超えたところで一気にメイショウダッサイが抜け出すと最後は差を広げて4馬身差をつける快勝。2着に迫ったケンホファヴァルト、3着に粘ったタガノエスプレッソ、4着が内で粘ったスマートアペックス、オジュウチョウサンは5着だった。

 

1着メイショウダッサイは昨年の中山大障害に続きJ G1連勝。また、昨年オジュウチョウサンに敗れた同レースの雪辱となり、文句なしの新王者に輝いた。

メイショウダッサイは障害転向後、初勝利を挙げてからは一度も馬券圏内を外してない安定感で、昨年の中山GJ2着以降これで4連勝となった。徐々にステップアップして勝ちを積み重ねてきた同馬はこれでG1 2勝目。ケンホファヴァルト以下に着差をつけての勝利と充実著しい同馬が今後も障害路線を引っ張っていくだろう。

 

2着ケンホファヴァルトは昨年の大障害に続きまたも2着。同馬は昨年の10月に障害未勝利を勝ち上がった身ながらその2か月後の大障害2着、そして今回も2着となった。

まだ障害経験も浅い中これだけの競馬ができるなら今後は逆転もある。

また、スタート後に減速をし、少しポジションを下げたのも影響しているかもしれない。ただメイショウダッサイ同様この馬も8歳なのであとはどれだけ早いうちに伸びしろを出せるか。

 

3着は9歳馬タガノエスプレッソが入線。こちらは昨年秋にJ G3を連勝した後、中山大障害で3着、今回も3着となり結局大障害の1.2.3という結果になった。だいぶペースは落として逃げれてはいたが、騎手コメントには入れ替わりが激しく息を入れるタイミングがなかったとあったが、ペース落としすぎが原因な気がするのと、鞍上が当日乗り替わりになったこともあり、細かい飛越ミスが一番目立っていた。鞍上が変わってなければもう少し違うレースになっていたかもしれない。

 

4着スマートアペックスは大健闘の4着。同馬はまだ4歳馬ながら果敢に挑んでいきオジュウチョウサンに先着の4着。途中の大竹柵で大きなミスがあったりと飛越はすこし怪しいところがあったりはするが、この年齢でこれだけの競馬ができるなら伸びしろは十二分にある。上位を8.9.10歳馬が占める中4歳のこの馬がこの順位にいることは驚異的なことで未来の障害王者候補最有力候補の一頭であろう。

 

5着オジュウチョウサンはペースが遅く、リズムが悪かったとの騎手コメント。大生け垣のミスもさることながら細かいミスも目立っていた。確かに前走もスローでの脚比べに負けたということで今回も不向きな条件になったといえばそうだが、負けすぎなのも事実。もう少しスタミナ比べになっていれば結果は変わったかもしれないが日本のスピードの出る障害競走にスピード能力が衰えている10歳という年齢では限界があるのかもしれない。ただここに出てきて勝負に挑んだスーパーホースには最大限の称賛を与えたい。