2022/5/29中央競馬回顧+今週の出来事

中京5R 3歳未勝利(芝2000m) 勝ち馬アルファヒディ牡3(父ハーツクライ)

道中は2.3番手インを追走し、直線も内から抜け出してきたアルファヒディが快勝。3戦目で初勝利を挙げた。

デビュー2戦はまだ動ききれない印象があった同馬だが、3戦目休養を挟んで成長を感じさせるレース内容だった。

まだまだ伸びしろは大きい印象。半兄に皐月賞アルアイン、ダービー馬シャフリヤールがいる血統。

 

中京6R 3歳1勝クラス(ダ1800m) 勝ち馬ドライゼ牝3(父ガンランナー(Gun Runner))

3/27のデビュー戦https://blog.hatena.ne.jp/riria29/riria29.hatenablog.com/edit?entry=13574176438077338065で取り上げたドライゼ。

道中は後方馬群の追走から直線外に持ち出されると、グングン前との距離を詰めていき、2着ジャスパーグレイトに1 1/4馬身差を付けて快勝。通算成績を2戦2勝とした。

かなり厳しい競馬をさせながらも問題なくこなして見せたという点から非常に評価が上がりました。牝馬ですがかなりいい所まで行きそうで名前を覚えておいて損はないと思います。地方がこなせれば牝馬重賞はまず狙えるレベルだと思います。

 

 

東京11R 日本ダービー(G1)(芝2400m) 勝ち馬ドウデュース牡3(父ハーツクライ)

人気は皐月賞1~4着に入った4頭が人気を分ける格好となり、最終的にはダノンベルーガ→イクイノックス→ドウデュース→ジオグリフの順で単勝オッズが決まった。

レースは1000m通過が58.9秒とややハイペースくらいの流れで人気4頭は中団やや後ろにある程度まとまって追走し、直線へ。

2番手追走だった皐月賞5着馬のアスクビクターモアが先頭に立ち、それ目がめて4強が一気に接近。特に大外に持ち出していたドウデュースの伸びが目立ち一気に前を捉えて先頭へ。これをめがけてさらに後ろにいたイクイノックスが猛追するもクビ差抑えたドウデュースが勝利。鞍上武豊騎手は最多ダービー勝利記録を自ら更新する6勝目。また、同時に最年長ダービー勝利と最年長クラシック勝利も更新した。猛追も2着のイクイノックスから離された3着にはアスクビクターモアが残し、4着にダノンベルーガ、5着にプラダリアが入り、ジオグリフは7着だった。上位5頭中4頭が皐月賞掲示板に入っており、皐月賞の結果がそのまま反映される形となった。

勝ったドウデュースはダービーレコード2:22.5を大幅に更新する2:21.9のダービーレコード。馬場は好天に恵まれたこともあり、時計は出やすい馬場だったためタイムはおまけ的な所はありますが、21秒台を3歳馬が出せてしまうというのは中々衝撃的な所でした。

皐月賞は完璧な仕上がりに映り、当初から皐月賞が大目標というような話もありましたが、皐月賞と変わらぬ素晴らしい状態でレースに出走し、結果をだしました。放牧に出さずにここまでの仕上げを再度作り上げた陣営は流石と思います。

武騎手の話で興味深かったのは、弥生賞皐月賞は全く別のレースをし、本馬のパフォーマンスが最高に発揮できるのはどちらかを試してみてダービーに臨んだという点。まさに点と点がつながったことが結果として結びついた。

近年は前哨戦を使わない傾向があるが、鞍上の進言で弥生賞皐月賞というローテを決めたという話があったとのことだが、見事に春3戦の意味を結果として証明して見せた。どうやら凱旋門賞に向かうのは既定路線とのことで、鞍上に決定権があればニエル賞凱旋門賞というローテな気はするが、今年から検疫が緩和され、英インターナショナルS辺りからでも凱旋門賞を使えるようになったので、様々な選択肢を探ったうえで結果につなげて欲しい所。

 

また、友道調教師の事前コメントには弥生賞より、皐月賞の方が一度使ったことでダメージが少なかったというコメントも興味深かった。

叩いて状態を上げていき、ダービーにピークを持っていく厩舎力は流石といった所。

これが3度目のダービー制覇だが、マカヒキワグネリアン、ドウデュース3頭すべてが弥生賞皐月賞日本ダービーというローテでダービー勝利。

3度の関東遠征に耐える馬ももちろんだが、この時期の3歳馬を3度の輸送されられる馬づくりあっての結果であるといえる。

 

2着イクイノックスは前走とは打って変わって後方からのレースとなり、直線では抜け出したドウデュースに迫ったが、惜しくも届かなかった。

鞍上のコメントでは前半の進みが悪かったというコメントがあり、まだ体が完成しきっていないからなのかは定かではないが、前走のように好位での競馬はできなかった。

ただ、ラストはすごい脚をつかっており、また3着以降を大きく離しているところから、地力勝負では1.2着馬が現時点では抜けた存在だったといえよう。

個人的にすごいと感じたのは800m辺りからのルメール騎手の進路どり。

手ごたえが悪かったからなのか内内をぴったりまわって押し上げてきて、直線ではダノンベルーガの真後ろまで上がってきた。この立ち回りのうまさは流石としか言いようがない。4強の騎手全員が外に持ち出したように内より外の方がいいと判断したと思われるが、ぴったり内を回りながら最後は外まで進路を取り切った。枠に泣いたというコメントではあったがそれを除けば文句なしの騎乗であった。

同馬はこれがまだ4戦目。異例のローテだった皐月賞からの一戦だったが、間隔を詰めてさらにパフォーマンスを上げてきた。

現時点ではドウデュースの方が完成度は上だが、ここまで迫るのは末恐ろしい馬だなと再認識した。この厩舎にはもったいないくらいの馬()だが、古馬になって体質がもう少し強化され、馬体も完成されていけばスーパーホースになる一頭。

距離が延びるのは問題ないと思うので菊花賞現時点では最有力といって間違いないだろう。

 

3着アスクビクターモアは皐月賞5着からの一戦。

人気4頭とは違い58.9の早い流れを2番手から追走し、2頭には差されたもののしぶとく粘りダノンベルーガを抑えて3着となった。

前走はスローで切れ負けしたというレースを踏まえて早い流れを好位で追走し、おあつらえ向きの展開には持ち込めた。田辺騎手は満点の騎乗だったが、いかんせん1.2着馬が強すぎた。スタート200mを除けば、同レースで一番遅かったラップは12.3秒で中ゆるみのないかなりの持久力勝負だった。これで負けるなら仕方ない。

弥生賞辺りでは折り合い難しくレースを運ぶシーンも見受けられたが、近2走は大分落ち着いて走れており距離もこなせてきている印象。おそらく次走はセントライト記念だろうが、有馬記念などこの馬の良さがさらに生きるレースであればG1でもチャンスありそう。

 

4着はダノンベルーガ。道中は終始ジオグリフに抑え込まれるような位置で直線も前があくまで少し待ってからの追い出しではあったが、最後はアスクビクターモアを差すことができずの4着だった。

レース後には、右トモの送りがいままでより悪かった、仕上げすぎたのでは?

という意見もみたが、単純に4着まで来ているので地力勝負ではこれが限界というのが個人的な考え。馬体を見れるわけではないのでこれが治るのかどうかはわかりませんが、すさまじいポテンシャルを持っているもとは共同通信杯で見せているので、秋以降のリベンジに期待。

 

5着プラダリアは個人的には驚いた。未勝利で取り上げておいてなんですが、こんなに強いとは思いませんでした。

皐月賞組が上位を占める中、唯一別路線組で上位進出をした。1ヶ月で2度の関東遠征&2400mと過酷な条件にも関わらずいいレースであった。

菊花賞がさらに楽しみになった。

 

6着キラーアビリティは復調の兆しを見えたレース。春は結局状態が上がり切らなかったというのが結論だろう。ホープフルを見ても全開ならG1も勝てる馬なだけにこちらも巻き返しに期待したい。

 

最後に7着ジオグリフ。ダノンベルーガを閉じ込めるいい位置に見えたが、福永騎手は完璧に乗れなかったというコメント。折り合いさえつければ距離は問題ないというコメントだったが、それでも3着争いであったと思うのでやはり1600-2000がベストと考える。もともとスタートに課題があり、出遅れる→出していくとかかるという悪循環だったが、スタートのうまい福永騎手に変わってからはまともにスタートが切れており、おかげである程度のポジションで壁を作れるので本馬にとっては理想のパートナーだろう。

こちらは天皇賞秋が本線だと思われるので古馬相手にどこまでやれるか期待。

 

 

 

 

今週の出来事

豪でG1を3勝しているモーリス産駒のヒトツ(Hitotsu)(セ3)が靭帯損傷で長期休養。早ければ来秋シーズンに復帰とのこと

22年サウジCを制したエンブレムロード(Emblem Road)(牡4)、4着のメイキングミラクルズ(Making Mirackes)(セ7)はフランスを拠点に海外へ挑戦

19年東京大賞典、20年南部杯3着の実績がある地方馬モジアナフレイバー(牡7)が引退→種牡馬入り

デアリングタクト(牝5)は宝塚記念

21年香港最優秀短距離馬ホットキングプローン(セ8)が引退

2冠牝馬スターズオンアース(牝3)が剥離骨折、軽症なので秋華賞は間に合うとのこと

英ダービー9勝を含む英クラシック30勝、11度の英国チャンピオンジョッキーなど数々の記録を持つ元ジョッキー、レスターピゴット氏が亡くなる

代表的な騎乗馬としてニジンスキー、シャーガー、アレッジドなど

 

ドゥームベンC(G1)豪3歳以上芝2100m    
勝ち馬ウエトール(Huetor)(セ5)    
映像https://youtu.be/NPjxry2r78Y

人気は1.3倍の断然人気に支持されたザーキ(Zaaki)1強とみられていた。
前々走のQEShttps://blog.hatena.ne.jp/riria29/riria29.hatenablog.com/edit?entry=13574176438081331173

の後、G2を快勝して同レース参戦となった同馬。
レースでも2番手追走からいい手応えで直線を向き、抜け出したかに見えたが、
ここから思ったほど突き放せず、内からウエトールに差されると、外から強襲してきたマキシマル(Maximal)にも差されなんとか3着確保。
内から抜け出したウエトールがマキシマルを凌ぎG1初制覇を飾った。
勝ったウエトールはデビュー時、仏で走っており、昨年豪に移籍。条件戦3連勝の後、前々走の条件戦が3着、前走初重賞のG2がザーキの4着となりここがG1初挑戦だった。

 

キングスフォードC(G1)    
豪3歳以上芝1300m    
勝ち馬アパッチチェイス(Apache Chase)(セ4)    
映像 https://youtu.be/sKdiigWCmb4

レースはゴール前4頭がもつれる大混戦のゴール前。1~4着までの着差がアタマ差、短アタマ差、短アタマ差の大激戦は逃げたアパッチチェイスが押し切って勝利。G1初制覇となった。

 

クイーンズランドダービー(G1)豪3歳芝2400m
勝ち馬ピナレロ(Pinarello)(セ3)
映像 https://youtu.be/5O3tpcK_vGs

道中は中団待機から3角あたりから早々まくっていき4角では先頭に立った3番人気のピナレロがゴール前猛追してきたパターナル(Paternal)をアタマ差抑えて勝利。G1は初勝利。

ちなみに同レースにはモーリス産駒が2頭出走しており、バルモーリス(Balmaurice)は7着、グローバルアウスブレッド(Global Ausbred)は9着だった。

 

サンタラリ賞(G1)仏3歳牝馬芝2000m    
勝ち馬アバヴザカーヴ(Above the Curve)(牝3)    
映像 https://youtu.be/sAxqxQ3n5W0

フランスオークス前哨戦にあたる同レース。
かなり拮抗したオッズではあったが、1番人気は7番のアバヴザカーヴ。昨年10月のデビュー戦で3着の後、今年初戦となった2戦目の未勝利で初勝利。

前走が英オークス前哨戦のチェシャーオークス(L)2着から同レース参戦となった。

2番手からレースを進めたアバヴザカーヴは直線であっさり前を捉え、先頭に立つと、後方から追い込んできたプレイスドゥカルーゼル(Place Du Carrousel)を1馬身差抑えて勝利。重賞初挑戦ながらG1制覇となった。

英オークスの前哨戦を使いながら同レース参戦となると次走はフランスオークスが有力ではないかと思われる。

母の半兄にジャイアンツコーズウェイがいる血統構成。

 

イスパーン賞(G1)    
仏3歳以上芝1850m    
勝ち馬ドリームルーパー(Dreamloper)(牝5)    
映像 https://youtu.be/sK004GEkMXQ

人気の中心は3頭でまずは前走ガネー賞https://blog.hatena.ne.jp/riria29/riria29.hatenablog.com/edit?entry=13574176438089604864

で2着となった地元のプリティタイガー(Pretty Tiger)ここまで安定した成績ながらG1にはまだ届いていない。初のG1制覇へ大きなチャンスとなる一戦だった。

これに2番人気では地元フランスで重賞勝ちがあるディラーワル(Dilawar)、昨年の英チャンピオンhttps://blog.hatena.ne.jp/riria29/riria29.hatenablog.com/edit?entry=13574176438021192744

の勝ち馬シリウェイ(Sraliway)が続いた。

スタート後、意外にもシリウェイが先手を取り、2番手にドリームルーパーが追走。3.4番手からプリティタイガー。最後方6番手からディラーワルがレースを運んだ。

直線向くとあっさりシリウェイを捉えてドリームルーパーが先頭へ。

勢いよく抜け出し差を広げると後続の追撃を抑えて勝利。前走からの連勝でG1は初制覇となった。

ドリームルーパーは昨年7月に初重賞勝ちを上げると10月のサンチャリオットSでは人気薄ながら3着と好走。

今年初戦の前走G2ダリア賞を勝利し、これが今期2戦目となった。

5歳牝馬ながら成長著しく、牡馬をも撃破したことを考えれば牝馬同士なら世代上位といったところだろう。人気のプリティタイガーは3着、ディラーワルは4着、シリウェイは5着に終わった。

 

ブリガディアジェラードS(G3)英4歳以上芝2000m
勝ち馬ベイブリッジ(Bay Bridge)(牡4)    
映像 https://youtu.be/7LxyxoEYz4I

レースは5頭立てながら非常に好メンバーのそろった一戦。

人気はここまで7戦6勝。重賞2勝の実績馬モスターダフ(Mostahdaf)、これにここまで4連勝。前走リステッドを制し、同レース参戦のベイブリッジ

3番人気にはG1を4勝している古豪アデイブ(Addeybb)、19年クイーンアンS勝ち馬ロードグリッターズ(Lord Gritters)が続いた。

レースはアデイブが引っ張っていき、モスターダフが2番手外、その後ろ4番手にベイブリッジ、最後方からロードグリッターズが運んだ。

直線向いてアデイブが粘りこみを図るところ楽な手ごたえでモスターダフが並びかけていく。満を持してアデイブをモスターダフがとらえた所で外から一気にきてベイブリッジがまとめて交わし切り先頭へ。

最後は2着モスターダフに5馬身という大きな着差を付けて完勝。

欧州中距離路線に新星が現れた。アデイブは3着、ロードグリッターズは5着。

 

先週の中でアダイヤーはPOWで復帰と記載したもの、あっさり回避を発表した為、本馬が一気に1番人気に浮上した。同レースはシャフリヤールが出走予定だが、ステートオブレストが参戦を表明しており、また、現時点ではミシュリフ、ロードノース、アデイブ辺りが有力所として登録している。

 

バーデン経済大賞(G2)独4歳以上芝2200m 
勝ち馬オルターアドラー(Alter Adler)(牡4)
映像 https://youtu.be/NzDMidCdr9E

昨年の凱旋門賞馬トルカータタッソ(Torquator Tasso)の復帰戦として注目が集まったレース。中団外外を追走していたトルカータタッソだが、直線待たずして早々失速。勝ち馬からはるか後方の6着に敗れた。

馬場はGoodと非常に軽い馬場であり、昨年も6着に敗れてはいるが、やはり特殊な馬場にならなければそれほど強い馬ではないのでは?と感じた。

 

ニンギルスダービー(ローカルG1)インド ダ1600m

勝ち馬クイーンスピリット(Queen Spirit)

映像https://youtu.be/jBy-4s-8Ms8

日本では15年マイルCSで2着などの実績があるディープインパクト産駒のフィエロ。そのフィエロ産駒のクイーンスピリットがインドのローカルG1ニンギルスダービー(ダ1600m)を勝利。1000ギニー3着からのレースだった。

インド語は調べてもよくわからなかったので情報共有程度ですが()

ちなみに日本で走っていた競走馬ではウインレジェンドの産駒がインドのダービーを制するなど現在も活躍中。