2022/6/19中央競馬回顧+今週の出来事

東京3R 3歳未勝利(ダ1600m) 勝ち馬メンアットワーク牡3(父ドゥラメンテ)

同レースが初ダートとなったメンアットワークが4番手追走から直線楽な手ごたえで抜け出すと、最終的には9馬身差を付ける圧勝。11戦目にして初勝利。

驚きのハイパフォーマンスを見せたメンアットワーク。なぜこれまで芝を使い続けていたのかと思わせるパフォーマンスであった。同週には同距離のユニコーンSが行われており、タイム的には未勝利の方が遅いが、ペースを考えればユニコーンS勝ちに等しい内容。今後どういう使い方をするかはわかりませんが、無事ならOPまではノンストップで上がっていくと思います。

 

東京8R 3歳以上1勝クラス(芝2000m) 勝ち馬パラレルヴィジョン牡3(父キズナ)

初戦でも取り上げたパラレルヴィジョン。道中はハイペースの後方待機から直線は一気の差し脚で前を捉えきり快勝。デビューから2連勝で1勝クラス突破を決めた。

デビュー戦を既走馬相手に勝利していたとはいえ、半信半疑な所はありましたが、想像以上のパフォーマンス。ハイペースによるスタミナ切れも心配でしたが、何のその。上がり33.5の決め手で快勝だった。今年のキズナ3歳牡馬のエースはこの馬だと思います。それくらいの内容でした。

 

 

新馬評価 1~6段階で表示

東京5Rマイネルケレリウス(父ルーラーシップ)4

東京6Rモルチャン(父ヘニーヒューズ)5

阪神5Rナイトキャッスル(父シルバーステート)4

函館5Rスプレモフレイバー(ダイワメジャー)3

 

東京6Rのモルチャンは人気薄だったが、まったくそれを感じされないレースぶりで完勝だった。陣営も色気出さずダート一本で絞るような話なので今後のダート路線で注目。

 

今週の出来事

英ダービー2着のフーヤマル(Hoo Ya Mal)が豪へ移籍

トウカイトリックも出走した10年のメルボルンカップ勝ち馬アメリケイン(Americain)(牡17)が放牧中の事故で亡くなる

香港のVホー騎手が夏に日本の短期免許取得予定

ドバイシーマクラシック8着の後休養中のグローリーヴェイズ(牡7)は札幌記念

 

 

クイーンアンS(G1)英4歳以上芝1600m    
勝ち馬バーイード(Baaeed)(牡4)

映像https://youtu.be/ON4ikDnS6g8

ロイヤルアスコット開催G1の開幕カード。ここの注目はなんといってもバーイード

ここまで7戦7勝。前走は今年の始動戦となったロッキンジSを快勝しての同レース参戦。人気も1.6倍と圧倒的な支持を集めた。

レースは4番のオーダーオブオーストラリア(Order Of Australia)がハナを取り、リアルワールドが2番手。その後ろにバーイードが付ける。1000mを切ったあたりから隊列は2つにばらけ、バーイードはリアルワールドの真後ろをぴったりと追走。600mを切ったあたりの11秒区間馬なりで上がっていきリアルワールドをパスすると最後は余裕を持っての完勝で2着リアルワールドに1 3/4馬身差を付けてのゴール。無敗記録を8に伸ばした。

勝ったバーイードはどこまで強いのかと思わせる圧巻のパフォーマンス。ここもまったく2着以下を寄せ付けないレースだった。ここまではマイルにこだわっているが、距離を伸ばしそうな感じもあるので今後の動向に注目。理想はインスパイラルやホームレスソングス、コリーバスといった3歳勢と当たってから距離を伸ばしてほしい所。

 

2着のリアルワールドは前走ロッキンジSに続きまたしてもバーイードの2着。本馬は芝に限っていうとバーイード以外には負けておらず、フランケルに後塵を拝し続けた某エクセレブレーションを思い出させてくれる。後ろには4馬身つけているため、メンバー次第ではいつでもG1を狙えるだろう。

 

キングズスタンドS(G1)英3歳以上芝1000m    
勝ち馬ネイチャーストリップ(Nature Strip)(セ7)    
映像https://youtu.be/g0W633XhIxg

人気の中心は欧州以外の2頭。最終的に1番人気だったのは米のゴールデンパル(Golden Pal)。先週ベルモントSを勝ったモードニゴールと同じアンクルモーの産駒。2歳時からロイヤルアスコット開催に参戦し、2歳時はノーフォークS2着、3歳時にはナンソープSを使い7着、今年3度目の遠征。昨年はナンソープの後、11月のBCターフスプリントを制し、初G1制覇、今年初戦のG2を快勝して同レース参戦となった。

2番人気は豪の古豪ネイチャーストリップ。こちらは7歳ながら変わらずトップスプリンターとして豪を引っ張る存在で22年は前走のTJスミスSを制し8度目のG1制覇。馬券外に外れたのは20年10月のジエベレストが最後で11戦連続馬券内。抜群の安定感で初の遠征先でのG1制覇を狙っての出走。

欧州勢からは今年のアルクオズスプリント3着のマンオブプロミス(Man Of Promise)、前哨戦のテンプルSを勝ったエリザベス女王所有のキングスリン(King's Lynn)、2着のトワイライトコールズ(Twilight Calls)などが続いた。

 

レースはスタートでゴールデンパルが出遅れるまさかの最後方から。

逆に人気のネイチャーストリップは好スタートから4.5番手辺りをスタート後は追走し、残り600m辺りでは早々先頭へ。そのまま差を広げていくと最後は4 1/2馬身差を付ける圧勝。驚きのパフォーマンスでG1勝利を決めた。2着にトワイライトコールズが入り、キングスリンは7着、マンオブプロミスは8着、ゴールデンパルは最下位16着に終わった。

勝ったネイチャーストリップは今開催最大のパフォーマンスといってもいいほど素晴らしいレースだった。またコースレコードのおまけつき。

同レースの豪競争馬による勝利は2009年シーニックブラスト以来

 

セントジェームズパレス(G1)英3歳牡馬、牝馬芝1590m    
勝ち馬コリーバス(Coroebus)(牡3)    
映像https://youtu.be/7im-fO6X5c8

ここの人気の中心は英2000ギニー勝ち馬のコリーバス。昨年は3戦2勝でシーズンを終え、今年初戦の2000ギニーでネイティブトレイル相手に勝利。ここが今期2戦目で断然の支持を集めた。

これにここまで連勝中で前走リステッドにてエリザベス女王所有のリーチフォーザムーンを下したマイプロスペロ(My Prospero)、更には3戦無敗で独2000ギニーを制したマルジョームあたりが続いた。

レースはスタートして中穴のルサイル(Lusail)が出していって、外3番手辺りからマイプロスペロ、その内4.5番手辺りのインからコリーバス、後方インからマルジョームはレースを進めた。

直線ルサイルが先頭に立つと、ばてた馬の後ろから縫って出てきたコリーバスが一気に前に進出、コリーバスが一度抜け出したが、その後各馬もしぶとく迫り、最後は5頭がもつれる大激戦のゴール。頭差凌いだコリーバスが何とか残しG1連勝。2着にルサイルが残り、3着にマイプロスペロ、4着に追い込んだマルジョーム、5着にマイティーユリシーズ(Mighty Ulysses)が入り、終わってみれば上位人気5頭での決着となった。

勝ったコリーバスはサセックスSが目標とのことでバーイードや日本のバスラットレオンとの激突の可能性もあり楽しみにしたい。

 

 

プリンスオブウェールズS(G1)英4歳以上芝1990m    
勝ち馬ステートオブレスト(State of Rest)(牡4)    
映像https://youtu.be/e3iPlY-PDpo

5頭立てながら豪華メンバーのそろった一戦。

現地オッズではここまで5連勝中で、前走ここでも取り上げたブリガディアジェラードSを快勝したベイブリッジ(Bay Bridge)、これにドバイターフを連覇したロードノース(Lord North)、日本から遠征した昨年のダービー馬シャフリヤール、そして3ヶ国でG1を取ったステートオブレスト、引退を撤回して現役復帰し連勝でここに臨んできたグランドグローリーの順。

 

レースはスタートでいきなりのアクシデント。ロードノースの覆面が外れないというまさかの自体で大きく出遅れ。他4頭は一線のスタートを切ったが内からステートオブレストが主張していき先頭へ。2番手外にシャフリヤール、3番手からベイブリッジ、グランドグローリー、遅れたロードノースが続いた。

5頭立てということもありかなりゆったりとした流れで進んでいき、5頭一団で直線へ。

直線に入っても楽な手ごたえのステートオブレストが後ろを離してリードを広げると、3番手から迫ってきたベイブリッジを1馬身退ける快勝で勝利。今年G1は2勝目。これで米豪仏に続き4か国目のG1制覇となった。迫ったベイブリッジが2着に入り、3着は追い込んだグランドグローリー、シャフリヤールは一杯になり4着、最下位にロードノースとなった。

 

ゴールドカップ(G1)英4歳以上芝3990m    
勝ち馬キプリオス(Kyprios)(牡4)    
映像https://youtu.be/HRhBLr8zJX8

人気を集めていたトゥルーシャンが馬場を理由にスクラッチしたことで最終的には5番のキプリオスが1番人気となった。昨年まではぱっとしない成績ではあったが、距離を伸ばして一変、前走の2800mG3では2着に14馬身差を付ける圧巻のパフォーマンス。一気にこの路線注目の存在に。

2番人気がお馴染みストラディバリウス(Stradivarius)同レース3勝を含めこの路線では絶対的な存在。現8歳となり衰えは感じるが、それでも今年初戦のヨークシャーCを快勝しており、変わらず強い印象。

これに20年カドラン賞勝ち馬プリンセスゾーイ(Princess Zoe)、昨年の英ダービー2着馬モジョスター(Mojo Star)辺りが続いた。

 

レースは直線外に持ち出した馬の争いで先に抜け出したキプリオスが先頭。外からモジョスター。キプリオスの後ろから一番外まで持ち出したストラディバリウスがその外から接近。前はモジョスターが一度キプリオスに並びかけたが、そこからしぶとく脚をつかったキプリオスがモジョスターを競り落として勝利。2着にモジョスター、3着にストラディバリウスが入り、4着には障害G1馬のバーニングビクトリーが入った。

 

 

コロネーションS(G1)英3歳牝馬芝1590m    
勝ち馬インスパイラル(Inspiral)(牝3)    
映像https://youtu.be/BSPsTpJjyzs

超豪華メンバーが揃った一戦。愛1000ギニー勝ち馬のホームレスソングスは回避したが、それでも素晴らしいメンバーが集まった。

最終的には5番のインスパイラルが2.87倍と抜けた支持を集めた。

昨年は4戦無敗フィリーズマイルを制しシーズンを終えたが、今年は順調にいかず英、愛1000ギニーを回避してここまでずれこんだ始動戦。それでも期待の高さを表すような抜けた人気となった。

 

これに英1000ギニー勝ち馬のカシェ(Cacjet)、仏1000ギニー勝ち馬のマンゴスティン(Mangoustine)、無敗で米から乗り込んできたスペンダレラ(Spendarella)、チェヴァリーパークS勝ち馬テネブリズム(Tenebrism)、2歳時に英オークス馬チューズデイを破ったディスカバリーズ(Discoverries)、フィリーズマイル英1000ギニー2着のプロスパラスボヤージ(Prosperous Voyage)、BCジュベナイルフィリーズターフを制したピッツァビアンカ)(Pizza Bianca)などが続いた。

 

レースは英1000ギニー同様カシェが引っ張っていき、2番手からスペンダレラ、その後ろにマンゴスティン、その外4番手辺りからディスカバリーズ、少し後ろからテネブリズムが追走し、インスパイラルは後方3番手辺りからレースを運んだ。直線カシェが踏ん張っていたが、苦しくなったところをスペンダレラとディスカバリーズが迫ってくる。しかしそれを瞬く間に後方から交わし去ったインスパイラルが一気に抜けていくと、そのままグングン差を広げていき、2着スペンダレラに4 3/4馬身差を付ける圧勝。

インスパイラルが休んでいる間に結果を出してきた馬達をあっさり蹴散らし牝馬マイル最強を証明した。2着には米にスペンダレラが残し、3着にディスカバリーズ、4着テネブリズム、5着カシェ、ピッツァビアンカは8着、マンゴスティンは9着、プロスパラスボヤージは10着となった。

勝ったインスパイラルはナッソーSジャックルマロワ賞辺りを使うかも?との事。

 

 

 

コモンウェルズC(G1)英3歳芝1200m    
勝ち馬パーフェクトパワー(Parfect Power)(牡3)    
映像https://youtu.be/luIN9EHcXg0

人気はここまで6連勝中のエルカバリオ(El Caballo)と昨年の1200mG1モルニ賞、ミドルパークSと連勝したパーフェクトパワーが集めていた。

レースは中団の内側を追走していた黄色い勝負服のパーフェクトパワーが直線スコーンと抜け出して快勝。前走英2000ギニーは7着と敗れたが、得意の1200m戦でさすがといえるパフォーマンス。この時期の3歳にして早くも1200m戦3度目のG1勝利。

人気のエルカバリオは18着に大敗した。

なお、同レースには吉田勝己氏、吉田照哉氏の所有馬が参戦しており、勝己氏所有のフロタス(Flotus)が3着、照哉氏所有のミラマー(Miramar)が5着と好成績を収めた。

 

プラチナジュビリー(G1)英4歳以上芝1200m    
勝ち馬ネイヴァルクラウン(Naval Crown)(牡4)    
映像https://youtu.be/3ErSM1kzi8k

人気を集めたのは13番の豪遠征馬ホームアフェアーズ(Home Affairs)、昨年の10月クールモアスタッドSを制すると2月のブラックキャビアライトニングではキングズスタンドを制したネイチャーストリップを撃破。前走のニューマーケットHは9着と敗れたものの、初日のネイチャーストリップのド派手なパフォーマンスもあり、1番人気に。

これに地元イギリスで前哨戦のG2を制したハイフィールドプリンセス(Highfield Princess)、昨年8月のG2勝利以来久々の一戦となったセイクリッド(Sacred)、ホームアフェアーズと同じ豪からの遠征馬で21年のブルーダイヤモンドS勝ち馬アルトリウス(Artorius)、更には昨年の英チャンピオンスプリントの勝ち馬クリエイティブフォース(Creative Force)、米からの遠征馬で昨年のコモンウェルズCの勝ち馬カンパネッレ(Campanelle)などが続いた。

また、同レースには日本からグレナディアガーズも出走。

 

レースはスタート後はカンパネッレとホームアフェアーズが飛び出しこの2頭が前へ。

馬群は内外2つの隊列に分かれての攻防。馬場の真ん中粘っているカンパネッレめがけてアルトリウスが接近し、外からはクリエイティブフォース、グレナディアガーズ辺りも伸びてくる。

しかしそれらをしり目に外ラチから一気に伸びてきたネイヴァルクラウンがまとめて交わし切ってのゴール。一気に差し切りでG1初勝利を決めた。

2着には同じくゴドルフィンのクリエイティブフォースが入り、ゴドルフィンワンツー。3着には豪のアルトリウス、同着の3着でカンパネッレ。セイクリッドは5着、ハイフィールドプリンセスは6着、ホームアフェアーズはまさかの20着、グレナディアガーズも見せ場は作ったが、19着に終わった。

勝ったネイヴァルクラウンは3歳時、英2000ギニーでポエティックフレアの4着などマイルでの実績はあったが、夏あたりから徐々に距離を短縮していき、今年は1351ターフスプリント(11着)やドバイのアルクオズスプリント4着など距離短縮で結果が出始めてはいた。この大舞台で結果を出し切った人馬は見事であった。

なおそれ以外の馬で現状わかっている部分では、3着のアルトリウスはジュライCを目標にするとのこと。また、グレナディアーズは結果次第で豪に行くプランもあるようでしたが果たして。

 

仏オークス(G1)仏3歳牝馬芝2100m    
勝ち馬ナシュワ(Nasuwa)(牝3)
映像https://youtu.be/zdrOpe1RKuk

10倍を切っていたのは2頭でナシュワとアガーヴ(Agave)の2頭。

ナシュワは前走英オークス3着で中1週での同レース参戦。対抗格のアガーヴはここまで4戦3勝。前走こそは敗れたものの力は示しておりここも有力。また鞍上Oペリエ騎手にとっても初の仏オークス制覇がかかっていた。

人気薄所では日本の大野拓弥騎手が騎乗するフォールインラヴ(Fall In Love)も出走していた。

レースは序盤中団よりやや前くらいに位置していたアガーヴがコーナーワークで一気に先頭に立ち最後の直線を迎えるが、外から来たナシュワが手ごたえ良くアガーヴを捉えると、迫るラパリジェンヌ(La Parisienne)を抑え勝利。アガーヴは4着、フォールインラヴは人気薄ながら5着と健闘。

同レース女性騎手による勝利は史上初の快挙となった。